No.008里親インタビュー

「パンダ」と呼ばれていたハ⁠チ⁠ワ⁠レ⁠猫。船⁠橋⁠市⁠保⁠健⁠所⁠で出⁠会⁠っ⁠たぱ⁠ん⁠子⁠ち⁠ゃ⁠ん

箱の中でこちらを見つめる、白黒のぱん子ちゃん
あけみさん提供:箱が大好きなぱん子ちゃん(2歳頃)
仕事をしながら、一人で猫の命を預かる。あけみさんは、最後まで責任を持てるかを考えながら、迎える猫を探していました。そんななか、船橋市保健所のウェブサイトで見つけたのが、まん丸な目をした白黒の成猫です。写真を見て電話をかけ、実際に会いに行ったあけみさんが、ぱん子ちゃんを迎えると決めるまでをたどります。

お話を聞いた人

あけみさん

お住まい
千葉県
迎えた猫
ぱん子ちゃん

保健所から猫を迎えるという選択

あけみさんが猫を迎えようと思ったきっかけを教えてください。

実家では、近所で保護した猫と17年間暮らしていました。その子との暮らしをきっかけに、当時一人暮らしをしていた私も、猫を迎えたいと思うようになりました。

ただ、仕事をしながら一人で命を預かることになります。猫の年齢にかかわらず、最後まで責任を持てるかを慎重に考えました。

一方で、子猫の成長期に必要な時間を十分に確保するのは難しいと判断し、成猫を探しました。また、家にはほかの動物もいたため、その子たちと一緒に暮らせそうかどうかも大切な条件でした。

ウェブサイトで出会った、白黒の成猫

船橋市保健所から迎えようと思ったのは、どのようなきっかけでしたか。

当時の私は、「保護猫といえば保健所」と考えていました。それで近所の船橋市のウェブサイトを見たところ、そのとき掲載されていた猫は成猫が一匹だけでした。

白黒のハチワレで、目も顔もまん丸。見つけた瞬間、「すごく可愛い。会いに行きたい」と思い、すぐに電話をしました。

初めて会ったときの印象はいかがでしたか。

写真で見るより、さらに可愛かったです。少し洋猫が混じったように見える、ふわふわした子でした。

実際に会うことができ、その日のうちに迎えることを決めました。

保健所では「パンダ」と呼ばれていたため、その名前から「パン」を取り、子どもの「子」を合わせて「ぱん子」と名付けました。

まん丸な目で見上げる、白黒のぱん子ちゃん
あけみさん提供:まん丸な顔と、鼻の黒い模様がチャームポイント

ぱん子ちゃんが過ごしていた保健所の様子

ぱん子ちゃんは、保健所でどのように過ごしていましたか。

私が訪ねた当時、犬たちは一匹ずつ広いサークルで過ごしていて、どこもきれいでした。ぱん子は、トイレやごはん、水が用意された3階建てのケージにいました。

面会のときに職員の方がケージから出すと、ぱん子は施設にいた犬たちへ自分から挨拶に行ったんです。その様子を見て、「この子なら、家にいる犬とも一緒に暮らせそう」と思いました。

職員の方々と、ぱん子ちゃんの様子で印象に残っていることはありますか。

ぱん子のケージには、段ボールで作った猫鍋のような丸い寝床が5個ほど用意されていました。職員の方からは、「本当にいい子です」「ごはんは出しただけ全部食べてしまいます」と教えてもらいました。

迎える日は、5人ほどの職員の方が見送りに来てくれました。「幸せになれよ」と声をかけてもらったことを、今も覚えています。

保健所での当時の手続き

迎えるときには、どのような手続きや説明がありましたか。

誓約書のような用紙に、ぱん子を大切に育てることや連絡先を書いた記憶があります。職員の方からは、ぱん子の性格や食べていたごはん、トイレができることなどを教えてもらいました。私の記憶では、当時、迎える際の費用はかかりませんでした。

初日から喉を鳴らしたぱ⁠ん⁠子⁠ち⁠ゃ⁠ん

家へ迎えた最初の日、ぱん子ちゃんはどのような様子でしたか。

目をさらに丸くして、「ここはどこだろう」というような顔をしていました。用意した猫用ケージの2段目に、ちょこんと座っていたんです。

新しい環境に慣れるまで時間がかかるかもしれないと思っていました。でも、撫でるとすぐにコロンと横になり、喉を鳴らしてくれました。保健所で好きだと聞いていたドライフードを用意するときれいに食べ、水も飲みました。

移動のストレスはないのだろうかと思うほど、初日から家に馴染んでくれました。想像していたよりも早く距離が縮まり、ほっとしました。

紫色の首輪をつけた、お迎え初日のぱん子ちゃん
あけみさん提供:お迎えして最初に撮った、推定1歳のぱん子ちゃん

先住の犬や鳥との暮らし

先に暮らしていた動物たちとぱん子ちゃんは、どのように過ごしていましたか。

当時の家には、犬や鳥などの動物もいました。鳥の安全を守るため、ぱん子と同時に自由にすることはせず、過ごす時間や場所を分けていました。

犬とは、思っていた以上に仲良くなりました。一緒に日向ぼっこをしたり、ときにはお互いのごはんを食べようとしたり。犬と猫は仲良くなれないかもしれないと思っていたので、穏やかに一緒に過ごす姿はうれしい驚きでした。

箱の中から、チワワのみみちゃんを見つめるぱん子ちゃん
あけみさん提供:愛犬のみみちゃんの相手をするぱん子ちゃん

ぱん子ちゃんを迎えて

ぱん子ちゃんを迎えたことを、今どのように振り返りますか。

運命的な出会いだったと思います。迎えて、本当に良かったです。

ぱん子と暮らし始めてから、スーパーやホームセンターでも猫用品をよく見るようになりました。若い頃はおもちゃが大好きだったので、いくつも買いました。でも、買ったものに限って遊んでくれず、おもちゃだけが増えていくこともありました(笑)。

床のマットの上で体を伸ばす、13歳頃のぱん子ちゃん
あけみさん提供:床でくつろぐ、ぱん子ちゃん(13歳頃)

猫を迎える前に、知り、備える

保健所から猫を迎えることに関心がある方へ、伝えたいことはありますか。

保健所には、暗い、怖いというイメージを持つ方もいるかもしれません。でも、私が訪ねた場所は、そのイメージとは違いました。

先入観だけで決めず、まず実際に足を運び、猫たちの様子や職員の方々の雰囲気を見て、話を聞いてみてほしいです。そして、猫の飼い方は自分でも調べ、本を読んだり、猫と暮らしている人に話を聞いたりして、迎えた後の生活に備えることも大切だと思います。

自分でも勉強して、備えておくことが大事です。

ブラシをかけてもらう、15歳のぱん子ちゃん
あけみさん提供:15歳になった現在のぱん子ちゃん

編集後記

保健所から迎えるという選択肢

保健所から猫を迎えた方にお話を聞くのは、今回で2回目です。保健所に、どこかドライで事務的な印象を持っている方もいるかもしれません。

けれど、お二人の話に共通していたのは、職員の方々が一匹一匹の様子をよく見て、その子の幸せを願っていたことでした。保健所から迎えることも、猫との出会い方のひとつなのだと、改めて感じました。

この記事を書いた人

石佛晴奈

ネコリンク編集長/合同会社Enphoria代表

地域猫との出会いをきっかけに保護猫活動を知り、現在は自身も保護猫と暮らす。猫との暮らしを支えるスマホアプリ「ネコカルテ」「ネコゴハン」と、保護猫と人をつなぐメディア「ネコリンク」を運営。ネコリンクでは、自ら取材・執筆も行っている。

運営者について

※この記事は、2026年10月に行った取材をもとに作成しています。内容と写真は、ご本人の確認を経て公開しています。

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